ビートたけし著書「コロナとバカ」は志村けんとの人情話、岡村隆史、渡部建の悪に切り込む本でした

芸能

ビートたけし「コロナとバカ」(小学館新書)を読みました。

この本は妻の両親が間違えて2冊買ったらしく、1冊余分にあるからといただいたものでした。数ヶ月経っても読めなかったのですがGWで暇なので読むかと思い読んだので感想を書いておきたいと思います。

「コロナ」についての話ではなく、「コロナを通して見た人間」について見た本

この本を読む前は「コロナ社会について論じている本かなあ」と思っていました。実際3章のうち第一部はコロナ社会への批判的な内容ではありましたが、第2章以降は「コロナを通して見た人間」「(コロナ禍も含む最近の)エピソードトーク」が中心。

2章、3章と進むうちにコロナでなくなった志村けんさんとの80年代のテレビ界隈の関係性や、ビートたけしさんから見た志村けんさんの芸へのこだわりのエピソードや、石原軍団の渡哲也さん生前の思い出話。ナインティナインの岡村隆史さんやアンジャッシュ渡部さんの芸風・炎上案件への批判など芸能的な内容も多く楽しく読めました。

ビートたけしさんの「炎上しないラインどり」はすごい

特に印象出来だったのはやはり志村けんさんの内容が出てくる章ですが、個人的にナインティナイン岡村さんが風俗発言をして炎上した一件についてのビートたけしさんのコメントも新鮮で面白かったです。以下一部引用。

「コロナが明けたらカネに困った美人が風俗嬢になるから楽しみだ」みたいな話をして大問題になっちまってさ。

〜中略〜

まず大前提として、芸人は「笑えない話」「オチのない話」はやっちゃダメなのよ。この発言で笑うヤツがどこにいる? 誰もクスリともしないよな。他人を傷つける話をして、それで笑いも取れないとなると、それは芸としては「下の下」ってことになっちまうんだよ。

(ビートたけし「コロナとバカ」p107(小学館新書))

この話のあと、昔ラ・サール石井さんがバブル時代に銀座のクラブで数百万を貢いだホステスがバブル崩壊後に風俗にいてショックを受けたというエピソードトークを披露しているのですが、(それも衝撃的なエピソードトーク)当時の雰囲気とコロナ禍の底が見えない時代の差があったことも、現代で炎上する一因だとも言っています。

この文章を読んだとき、最近有吉弘行のSNDで有吉さんが発した「俺は炎上したことない」発言を思い出しました。明らかにひどい毒舌を言っていても、有吉さんの毒舌ラインはギリギリのラインをついていたり、明らかに正しくないモノに対しての毒舌が多いように思います。また、最後にはオチがつくので、視聴者目線では重く受け止めなくて済むところがあります。(有吉さんはネットニュースでめっちゃ炎上ぽい記事がでても、コメントやSNSで支持されていることが多い)

個人的に以前から有吉さんはビートたけしさん路線だと思っていたので贔屓目というか、バイアスはありそうですが感想として紹介しておきたいと思います。

 

他にも、立川談志さんの弟子でコメンテーターとして番組に出演している立川志らくさんへの「着物批判」、伊勢谷友介さんの傲慢さ、瀬戸大也選手の不倫話などに切り込みます。

妻方の実家はみんな志村けんさんが大好きなので、おそらくこの本を買った理由はその部分が読みたかったのだろうと納得しましたが、それ以外の時事・芸能への切込みも面白い一冊でした。ぜひ皆さん2章以降の人情話、毒舌話を楽しんでみては。

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